デンマークのヒュッゲ(Hygge)は日本でもよく聞かれる言葉となりましたが、最近はスウェーデンのフィーカ(Fika)も注目を集めています。でも、この2つは具体的にどう違うの?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回はヒュッゲとフィーカの違いを解説しながら、それぞれの文化で現地の人たちが大事にする要素や考え方、使うアイテムなどをご紹介します。忙しい毎日の中でも、ヒュッゲやフィーカの要素を取り入れた「ほっこり・ゆったり」な時間を持つコツをまとめました。
デンマークのヒュッゲ(Hygge)とスウェーデンのフィーカ(Fika)は概念的な部分も多く、具体的に何を意味しているのかわかりづらい部分があります。ここではそれぞれの意味と共通点について整理します。
デンマーク語のヒュッゲ(Hygge)は、「心地よい空間」や「幸せを感じる時間」などを指す言葉です。心地よさや幸せは人によって感じ方が違うので、かなり幅広い意味を持つ概念といえますね。
主に自宅でゆっくりとくつろぐ時間や、家族や友人と一緒に過ごす時間を指す場合が多いのも特徴です。誰かと会話を楽しんだり、食事や映画鑑賞・読書・音楽鑑賞をして過ごしたりと、その方法も様々。デンマークの人たちは、日常の中にあるほっと一息つける時間を総合してヒュッゲと表現しています。
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デンマーク人と一緒に過ごして知った、デンマークの「ヒュッゲ」とは? – nodoca
スウェーデン語のフィーカ(Fika)は、主にコーヒーブレイクの時間を指して使われる言葉です。10時と15時の1日2回、フィーカタイムをとる人が多いようです。多くの職場では社員みんなでフィーカタイムに休憩をするため、その時間帯は電話がつながらないことも普通なのだとか。
フィーカでは甘いものを食べながらコーヒーを飲むのが定番で、時間はだいたい30分程度。フィーカタイム以外でも、誰かとコミュニケーションをとりたい場合には「フィーカしよう」と誘うこともあります。
ヒュッゲはゆったりと過ごす時間の総称、一方でフィーカはコーヒーブレイクを指すという違いはありますが、どちらも「ゆとりある時間を過ごすこと、ほっと一息つくこと」に対して使われる点では共通しています。
一人でも、家族や友人と一緒でも、人数は特に制限がありません。忙しい日々の中でも笑顔になれる瞬間を持つことや、意識して自分のための時間を作ることを実践しているからこそ、北欧の人たちは幸福度が高いのかもしれませんね。
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スウェーデンに深く根付くフィーカの時間
日本でヒュッゲやフィーカを再現したいと考えたとき、どのような要素が必要なのでしょうか。ここではデンマークやスウェーデンの人たちが大切にしている心の持ち方と、ヒュッゲ・フィーカで使われるアイテムについてまとめます。
ヒュッゲやフィーカでは、何よりも心の充足感を得ることが最優先です。一人で過ごす充実した時間、または心を許せる人と過ごす楽しい時間は、人生全体の満足度を上げてくれる大事なものです。
忙しい毎日が続くと、つい焦ったりイライラしてしまいがちですね。北欧で暮らす人たちが休む時間を大切にするのは、小さな幸せに気づいて気持ちに余裕を保つため。それが周囲の人たちへの感謝の心や、自分自身の恵まれた部分に目を向けるゆとりにもつながっていきます。
ヒュッゲを代表するアイテムは、間接照明やキャンドルです。冬の寒い日に暖かい部屋で眺める照明やキャンドルの光は、なんともいえない落ち着いた時間を演出してくれます。また、ぬくもりのある布製品や羊毛製品を身につけ、食卓をみんなで囲むのも一般的です。ワイン・コーヒーなどの飲み物と一緒にお菓子や料理を楽しんだり、映画・音楽などにじっくりと向き合ったりするのも人気の過ごし方です。
一方でフィーカでは、コーヒー・紅茶などの飲み物と一緒に、お菓子やパンなどの軽食を楽しみます。自宅でフィーカタイムをとる場合は、気分の上がるカトラリーを用意するとより素敵な時間が過ごせるでしょう。気候の良い時期はカフェのテラスや公園でフィーカをする人も多いようです。
ヒュッゲやフィーカは、北欧の人たちが意識的にゆったりとした時間を持ち、「忙しい毎日の中でもリフレッシュする習慣を作ろう」という工夫のあらわれです。それにより、忙しさで気持ちがすり減ることが減って、理想的なワークライフバランスが整うようになります。
いきなりヒュッゲやフィーカを実践するのはハードルが高いという方も、日々の暮らしで少しだけ「ちょっと休憩」の時間を持つことから始めるといいですね。休憩が上手にできると心の余裕が生まれ、小さなことにも感謝できるポジティブで豊かな自分に出会えますよ。