褒めるとき 具体的に相手を称えなくてもいい?

心に残った教えの言葉

  • 『褒めるとは、必ずしも具体的に相手のできた事を称える必要はありません。』

    それは、発達障害の子供たちに20年以上携わってきた通級の先生の言葉でした。この言葉を教わったことで、私の中で考え方が変わりました。

    今回のコラムは、発達障害の子供を持つ親視点ですが、きっと一般級に通う親御さんにも役立つと思います。さらに言えば、大人同士のコミュニケーションでも当てはまる点があるはずです。

発達障害とは?

  • 発達障害とは、生まれもった脳機能の発達の偏りによって生まれる障害を言います。よく勘違いをされますが、発達障害は病気ではなく脳の特性です。

    ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害・衝動性障害)、LD(学習障害)などがあり、どれか一つだけでなく複合的にある場合もあります。

    私の子供はADS(自閉スペクトラム症)であり、「コミュニケーション障害」と「こだわりの強さ」を克服するために月に数回ほど通級に通っています。

    例えば私の子供の場合は、欲しい、やりたい、行きたい、と『欲のスイッチ』が入ると、自分でもその感情を止めることができなくなります。そして、その想いが叶わないと癇癪を起します。更にコミュニケーションを取る事が上手くできないので、気持ちを言葉で伝える事ができず、癇癪がエスカレートすることもあります。
    過去最高の癇癪時間は、『犬が欲しい』で4時間半です。そして、1週間ぐらいは毎日言われ続けました。

褒めたつもりが、逆に怒りになる事も

  • 冒頭に述べた言葉は、発達障害の子への褒め方についての指導でした。発達障害の子と接する時は、感情的に叱る事はタブーとされており、褒める事が大事と言われてます。
    しかし、定石通りにいかないのが子育てであり、一人一人個性が違うので接し方も人それぞれになるのが当たり前です。

    とある先生が、上手に発達障害の生徒を褒めていたところ、『先生は僕を馬鹿にしているのか?』と怒ったそうです。それは、その子にとって『褒めた言葉=嬉しい』ではなかったのです。

    私の子供でも同じような経験がありました。
    食後に食器をシンクまで運んでくれたので、『お!!食べた食器を運んでくれるの?偉いね!!』と褒めたところ、、、子供は、わざわざテーブルまで食器を戻しに行きました。
    きっと、その言葉は嬉しくなく、単に『ありがとう!助かる!』の方がよっぽど良かったのでしょう。

褒めるということはどういう事か

  • ここで冒頭の言葉に繋がるのですが、褒める事ばかりに目が行ってしまうと、それは親の自己満足になってしまうそうです。褒めたその言葉、本当に言われて嬉しいか、心が満たされる言葉か、一度考えてみるといいですね。相手の立場になり考え、相手がどういった時に嬉しそうにし、満足した顔をするか、よく向き合っていれば自ずと答えがでてきます。そして、その答えは十人十色なのです。
    人によっては言葉にして伝えなくても、ニコっと笑顔で嬉しそうな顔を向けるだけで満たされる人もいるかもしれません。

    要は本質が何かを理解していれば、形はどうであっても間違いでは無いということです。

WRITER
    • nodoca
    • nhodoca編集部です。心がくつろげて、のどかな気持ちになれるような記事を提供していきます。

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